Wednesday, April 23, 2008

先入観の怖さ


今まで何度か電話で治療の指導をしたことがあるがほとんどのケースうまくいっていない。実際に身体を診るとこちらが想像していたことと全く違う状態でそれ以来、電話での指導を控えるようにしていた。先日来、腰椎椎間板ヘルニアが治らず、何処の病院に行ったらいいのか教えてくれということで、念のため婦人科も受診して下さいと指導した。本人の話では右のヘルニアで足が痛くてどこへ行っても治らないという。
整形も行き、心臓も調べ、レーザー治療もやってすこしは腰は楽だが膝から下の痛みが全く変わらないという。どの医者に診てもらっても「この足の痛みはヘルニアだからもう少し腰が楽にならないと良くならない。」と言われたという。しかし本人どうしても納得がいかず、医者に言われたとおり暖めると痛いという。逆に冷やすと楽になる。感極まったのかついにおみえになり足を拝見してビックリ。蜂窩織炎を起こしていた。ペットと暮らしているかと聞いたら犬と一緒だという。そして痛みが取れないので鎮痛剤を飲み続け、胃腸を駄目にしてしまったという。おそらく免疫が落ちていての化膿だろう。慌てて医者に行って抗生剤をもらえということになった。すこし身体に関して知識のある人間、誰でも腰椎椎間板ヘルニアで足が痛いと言えばヘルニアからだと決めてかかるだろう。しかし治らない場合このように複合で問題がおこっているケースがあるので注意が必要だ。腰椎椎間板ヘルニアと聞いた途端、足の痛みはヘルニアからという先入観で患者には辛い思いをさせてしまった。やはり白紙で病状を診ていかないと怖い。